要注意

男性の脱毛原因・誘因

なぜハゲる・その原因は?

脱毛の原因は@遺伝A食生活内容B精神状態C健康状態D間違った手入れ に要約することができます。遺伝は生まれてしまってからでは変えることはできないとされていましたが、最近の研究では遺伝的要因を引き出すか否かのスイッチがあり、スイッチをONにするかOFFにするかを後天的に変えることができるとして更なる研究が進められています、遺伝以外の後天的要因はそれほ難しいことではなく自分の意志で変えることができるのです。




男性型脱毛(AGA)の原因は男性ホルモンによるものですが、髪が薄くなる(細くなる、伸びなくなる、)禿げるのは単独の原因というよりたくさんの誘引が関わっています。

基本的には毛髪をつくる毛乳頭や毛母細胞の働きに、老化や何らかの異変が起こりヘアサイクルに乱れや短縮が起こったことによります。

それらの原因としては、食事内容が偏食傾向であったり、血液循環が不良になり毛乳頭や毛母細胞への栄養の補給が十分に行なわれなくなったり、皮脂腺機能の亢進により分裂が阻止されたり、エネルギーの代謝に悪影響があって、細胞内の代謝作用がスムーズに行われなくなってくることなど色々があげられます。

他にも性ホルモンのバランスがくずれたり、精神的なストレスなどがきっかけとなったり、日常の手入れ不足や、間違った手入れなどから生じる常在菌の過剰や不足、フケなどが刺激になり、その結果、頭髪の機能低下や退化現象を起こ り、脱毛が促進されたりヘアサイクルの生長期が短縮したり、休止期が長くなり、生長が鈍化し細毛化が起こって逃避が透けて見える(てハゲてくる)ことなどがわかってきました。

 

しかし、「人間はなぜハゲる必要があるのか」、「ハゲる人とハゲない人がなぜ起こるのか」などという真因は、残念ながら医学的にも完全には解明されていないのが現状で、いろいろな「説」が出され、「べつに生命に異常ないから」「遺伝だからしょうがない」などと軽視の風潮さえある一方で、分子生物学、生物化学、免疫学、再生医学などの研究進歩により、男性型脱毛症の原因究明と治療法にも少しずつ光が見え始めてきました。


遺伝説

胎生三カ月ころになると黒髪か金髪か、直毛か縮毛か、寿命は、など毛髪に関する親の遺伝性を全部受け継いで最初の毛母細胞ができ、細胞分裂を繰り返し、毛髪がつくられ、さらに骨格、皮膚の働き、血液、ホルモンその他いろいろな遺伝情報を受け継いで赤ちゃんは誕生してきます。

ハゲは遺伝するらしいということは分かっていたものの、実際に家系調査をしたのはオズボーンで、脱毛と遺伝の関係を四代あるいは五代にわたり22家系、84組の夫婦の男の子183例、女の子135例を調べ、1916年「男性型脱毛は男を通して優性に、女を通して劣性に遺伝する」と発表しました。

その後サイモン、ミューラー等は、若ハゲになる可能性は、家系の中の男性だけでなく、女性の持っている遺伝情報も考慮に入れることが必要であるとし、男性型脱毛の遺伝因子とは別に独立して遺伝される修飾因子(その因子が発現するかどうかのカギを握る別の因子)の影響を受けており、優性遺伝であることは違いないものの、多くの因子の相関関係によってハゲるか、ハゲないかが決まってくることを発表し、かなり複雑な遺伝形態であることが分かってきました。






















ハゲそのものの直接の遺伝子(まれな遺伝性全身脱毛症の原因遺伝子は1998年1月に発見されています。)というものはまだみつかっていません。

男性型脱毛症の場合、親から受け継いだハゲの遺伝因子は、男性も女性も平等に遺伝します。

このハゲの遺伝的因子が一つも無ければ男女ともハゲにはならず、一つの場合は男性はハゲになるが、女性はハゲにならず、二つあると男性も女性もハゲてしまうという報告があります。 ただし女性の場合は男性のような症状ではなく、「薄毛」の状態になってきます。

これをいろいろ組み合わせてみると、男性は71〜75%、女性は25〜29%の割合でハゲになりやすい遺伝的体質を受け継いでいることになります。

両親とも大丈夫であっても、祖父母や叔父、叔母などに薄いヒトがいると、男性の場合は薄くなるヒトもいますが、女性の場合は大丈夫な場合が多いのです。

ハゲは以前から多因子性の優性遺伝であるとされてきましたが、その後の研究により男性型脱毛症の原因遺伝子は母親からのX染色体にある男性ホルモン受容体遺伝子(AR)により受け継がれることから、父親や父方のお祖父さんがハゲている状態よりも母方のお祖父さんがハゲている方がアブナイとされていました。

ところが2008年に、男性ホルモンを介する経路とは無関係と思われるDNA塩基配列の変異が、20番染色体で見つかりました。 ARとDNA変異が両方ともある特定タイプの場合、両方とも違う場合に比べて男性型脱毛症の発症確率が7倍も高かったと、英ロンドン大学など欧米6カ国のチームが遺伝学に関する国際学術誌「ネーチャー・ジェネティクス」に発表しています。

このことから、一概に母親からの遺伝が原因であるとは言えなくなりました。DNA変異がどの遺伝子にどんな影響を与えるかはまだ不明ですが、これを突き止めることができれば発症メカニズムの解明が進み、遺伝子治療の可能性も夢ではなくなってくると期待されています。そして、まだまだ他にも発症の因子があるとされています。



ちなみに私、板羽のMYCODE遺伝子検査のレポートの検査結果によると、男性型脱毛症のなりやすさでは、 {なりやすい} 髪色の明るさは {明るい} 髪の太さは {普通} 髪の形状は {ウェーブ} 男性ホルモン(ディヒドロテストステロン)値は {普通} 円形脱毛症のなりやすさは {2.25倍} となっていました。

私の師である皮膚科の医師のアドバイスにより、20歳の頃から頭皮と頭髪のケアの大切さ(当時はまだ遺伝子のスイッチのON、OFFの概念などなかった)を教えてもらっていたことにより、父親も母方の祖父も典型的なハゲ家系であったにもかかわらず、79歳の現在も髪の健康と量は保っています(体力は低下していますが・・・)。

円形脱毛症の場合も30〜40%の遺伝性があるとされています。私の場合は右足のスネ毛に円形脱毛症ができたことがありました)。

その他の脱毛として先天性乏毛症などがあり、毛の異常は遺伝によるものがいくつかあります。

一般に遺伝的要因と環境要因については病気の発症要因は3070種。病気の30%は遺伝子の影響、70%は生活習慣が影響しているといわれています。(病気によってこの割合は異なります)。 

遺伝的危険性が高い場合はもちろん、たとえ低いと思われても、これらのリスクを極力排除するために生活のあり方や食事の摂り方、お手入れのやり方、精神面のあり方などを見直すことは極めて重要です。

上記実例写真はミナト3710での症例ですが、すべてのヒトがこのようになる訳ではありません。
継続を続けていると、ヘアサイクルの関係でこの後薄くなり、お手入れ等を続けているとまた濃くなりを繰り返して改善されてきます。
最初に述べましたように単独の原因と言うよりも、たくさんの誘因が関わっています。
育毛剤やシャンプーなどの内容成分の効果は3分の1。本人の継続するヤル気が3分の1。その時々の状態などのアドバイスや施術効果が3分の1。 これらの全てがうまくいくと改善効果があがってくるのです。


ホルモン説

脱毛は遺伝的要因が強く、しかも男性には優性として発現するため、男性ホルモンが関係していることは古くから言われていました。

アメリカのハミルトンの行った実験によると、思春期前に去勢して睾丸を取り除いたら若ハゲは起こらず、ハゲが進行中の人を去勢したらハゲの進行は止まり、このような人に男性ホルモンのテストステロンを注射したら、再びハゲは進行をはじめ、思春期以前に去勢した人にテストステロンを与えたら、ハゲの家系の人にだけハゲが起こりました。

頭皮の場所ごとに毛の男性ホルモンの感受性が決められている。
別の実験で、ハゲやすい前頭部の頭髪と、ハゲない後頭部の頭髪を交換移植をしたら、後頭部から前頭部に移植した頭髪はそのままで、前頭部から後頭部に移植した頭髪は抜けてしまいました(ドナーの性質が現れるために、これをドナー・ドミナントと言います)

ということは、同じ人でも場所によって毛と男性ホルモンとの関係は異なり、頭皮の場所ごとに毛の男性ホルモン感受性が決められており、その性質は植え替えられても変化せず、新しい場所の毛と同じ感受性は示さないという性質を持っていると考えられるのです。

男性ホルモンが受容体とくっついてハゲる。
男性ホルモンは男性の場合、睾丸で作られることと、女性にほとんどハゲがいないということも男性ホルモン説の根拠とされていました。

しかし、若ハゲの人とそうでない人の血液中の男性ホルモン(テストステロン)量を調べた結果では差が無かったことから男性ホルモンの量と若ハゲは無関係と分かり、次に出てきたのが男性ホルモンに対する感受性の高い人が禿げるのではないかという説で、男性ホルモンは細胞に直接働きかけることはできず、まず細胞にある受容体(レセプター)とくっつく必要があるのです。

受容体の働きは頭髪とヒゲでは正反対

だからハゲるかどうかの鍵はこの受容体にあるのではないかと考えられるようになってきました。

研究者が探したところ、問題の受容体は頭髪やヒゲの毛乳頭に存在することが確認されたのですが、若ハゲかどうかにかかわらず皆同じ位に受容体があることがわかり、男性ホルモンはヒゲ(IGF-1が発現)を濃くするのに対し、頭髪(TGF-β1が発現)にはなぜか反対の働きをするというように、同じ受容体でも正反対に働くことが分かったのです。



ハゲのメカニズムは謎だらけ

男性ホルモンは前頭部や頭頂部の細胞に対し、どのようなメカニズムで、どのように作用するのか、また、男性ホルモンに感受性をもつハゲの家系の人にのみなぜハゲが起こるのか、細胞の感受性の違いはどのようになっているのか……。このようなことになると残念ながらまだはっきりとは解明されていないことが多いのです。

5α−リダクターゼ(5α・R)という還元酵素が鍵を握っている

そこで男性ホルモンのテストイテロンに働く5α−リダクターゼ(5α・R)という還元酵素が鍵を握っているのではないかとの説が解明されてきたのです。



それは受容体にくっついた男性ホルモンはそのままでは活性がなく、酵素がホルモンを還元することにより、活性化したDHT(デヒドロテストステロン)となり、細胞の分裂を阻止することによりハゲてくるということがわかったのです。

これらの働きを抑えるためにプロペシア(フィナステリド)、ザガーロ(デュタステリド)を使用することが多くなっていますが、性的障害などの副作用の発生により使用をためらう人が多くなっています。(メーカー側ではほんの数%と言っていますが、私の所に薬を止めたいと来室する30歳以上の相談者はほとんどのヒトが性的障害を訴えています。)

また、「毛の悩みに応える皮膚科診療・毛髪最前線(南山堂)」によると、フィナステリド内服を続けても毛髪は増え続けるわけではない。ただし、脱毛の進行は抑える。  と、あります


遺伝体質が関係する

男性ホルモン(テストステロン)が脱毛に関係していることは古くから言われていますが、男性型脱毛症と血液中の男性ホルモンの多少の関係を調べた結果では、互いに相関が無いことが確認され、むしろ遺伝的体質の方が強く関係し、男性ホルモンに感受性をもつハゲの家系の人に多く発生します。

これは生まれつき皮脂腺内の還元酵素である5α−リダクターゼの量が多い場合や、活性が高いことなどが原因しています。

男性ホルモンは直接毛根に働きかけるわけではなく、皮脂腺内の5α−リダクターゼの作用を受けて、5倍も作用の強い活性型男性ホルモンである5α−DHT(ディヒドロテストステロン)に還元され、この5α−DHTが毛乳頭の繊維芽細胞や毛球、特に毛母細胞の男性ホルモンレセプター(受容体)に結びつき、この結合体(5α−DHT−protein complex)が細胞の核内に入りDNA(デオキシリボ核酸)の特定部位に結合することによって情報を発現し、毛母細胞の分裂を抑制し、毛周期が短縮し、毛が生え変わりながら、今まで硬くて太かった髪が、次第に細くて伸びの悪い細毛へと逆転換してハゲになっていくことが分かってきました。

5α−リダクターゼの存在と毛乳頭のレセプターの存在は確認されているのですが、毛球、特に毛母細胞におけるレセプターの確認はまだされていないのが現状です。

最近の研究によると、この酵素は二種類以上あり、頭皮の男性ホルモンに働くもの(T型)と、前立腺で働くもの(U型)があることがわかり、このうちT型の酵素が頭皮の皮脂腺に見つかったことから、男性ホルモンは皮脂腺で活性化され、毛乳頭にはU型酵素があって細胞の分裂を阻害するのではないかと考えられているのです。

DHT受容体はいろいろあり、若ハゲだけでなく最近はDHTと前立腺肥大や心臓病、肝臓病との関係も注目されています。

このため、この酵素により活性化されることを阻害できれば脱毛が防げることになるのですが、男性ホルモン悪玉説が言われながら、それを抑える育毛剤が無かったのは、男性ホルモンも受容体も体中共通らしいので、下手にその働きを抑えると影響が頭皮のみにとどまらず、体が女性化してしまうなどの副作用が大きく、実現できていないのです。

女性の場合も卵巣や副腎から男性ホルモンに変化するタイプのホルモンが分泌され、男性の場合の約20分の1位の量(成人男性は一日約8mg)が分泌されており、これがテストステロンとなって5α−リダクターゼの影響を受けて脱毛がひき起こされてきますが、男性ホルモンの力が弱いために極端に薄くなったりハゲにはなりませんが、卵巣機能が低下したり、更年期を過ぎると地肌が見える位に薄くなってきます。

頭頂部がハゲ(NorwoodU〜Vertex型)ているヒトの心臓病発生は4割増し
頭頂部全体ハゲのヒトの心臓病の発生は3倍増し   は注目です。


ストレス説

イライラや心配事が多いと、ストレスにより皮脂腺の働きが活発になり、皮脂の分泌を増加させたり、自律神経が正常に作用しなくなってきます。

するとストレスに対抗するためにカテコラミンという物質が分泌されるため、血管が収縮しやすくなったり、交感神経の緊張から胃腸障害を起こすようになります。そのため栄養の不足から脱毛が多くなってきます。

ある調査によると、薄毛になりやすい人の約80%が神経質タイプだったと言われ、その関係は、毛髪は感情の動きに大変敏感に反応し、怒れば毛は逆立ち、恐怖は毛穴を開かせるように、精神的な苦悩や緊張感が長く続くと、毛乳頭に通っている毛細血管が萎縮して栄養不良状態になったり皮膚の免疫力が落ち、毛根の活性も低下してしまうため、頭髪の生産がストップしてしまうからなのです。

休日の過ごし方などを工夫して、ストレスを避けて毎日を快適に過ごし、睡眠不足にならないように気をつけることが必要です。
気にし過ぎてあれこれ悩むことも脱毛を多くしますので、血行を促進させるような正しい手入れをして、精神状態をできるだけリラックスすることが大切です。


エネルギー説

体内に取り込まれた栄養素は、酸化・燃焼など、一定のいくつかの過程を辿ってエネルギーを生じ、主に熱エネルギーとして体温の維持や、機械的エネルギーとして運動や、電気的エネルギーとして神経の伝達などに使われていますが、常に毛を伸ばし続けるためには、毛母細胞はフル回転で細胞増殖を行わなければならず、他の部分の細胞に比べてエネルギーを相当必要とします。

発毛している時は、この毛母細胞にはアデノシン三リン酸(ATP)という生体エネルギーの素になる物質が増加していることが前・徳島大学医学部皮膚科の武田教授の研究室の調べで確認されています。

体内で栄養素を代謝するときと同じように、このATPが体内の栄養分からエネルギーを作り出すTCAサイクルというエネルギーの代謝の回路に入り込み、育毛・発毛のためのエネルギーを与えるというものなのです。

食物から得られるブドウ糖が分解したグルコースと脂肪酸を原料に、アセチルCoAをつくり、これがクエン酸、コハク酸を経由してTCAサイクルに入りATPが生産され、毛根にエネルギーを与えるようになってきます。このエネルギーがうまく生産できている状態では、新毛が発生したり、細い毛が太くなったり、抜け毛が減ってきますが、男性ホルモン(テストステロン)が過剰に作用すると、グルコースからアセチルCoAを産出するために働くホスホフラクトキナーゼの働きが阻害されてしまい、代謝される途中の中間物質まできた状態でサイクルが止まってしまい、結果としてATPが作られなくなってしまい、細胞の分裂が低下し、毛を作る働きが低下してしまいます。

そこで発毛のためにはATPを増やす物質を供給してあげれば効率良く毛を伸ばすことができることになります。
発毛のエネルギーを強化するための物質として、ペンタデカン酸グリセリドのような奇数鎖長の脂肪酸を与えると、男性ホルモンが作用した場合でもアセチルCoAを経由しないで直接コハク酸になれるので、TCAサイクルに入り込むことができ、十分にATPが生産されるようになり、エネルギーが高まり毛を作る働きも高まって来ます。


食生活説

健康な毛髪をつくるためには、まず、健康な身体つくりが基本で、成人病を起こすような食生活は禁物です。

たとえば脂っこい肉食系の食事は血液中のコレステロール濃度が高まり、毛乳頭にスムーズに栄養が行き渡りにくくなったり、皮脂の分泌が多くなり脂漏性脱毛の原因になってしまいます。
また、毛髪はケラチンという硬たんぱく質でできていることから、常に良質な蛋白質の摂取は健康な毛髪をつくるための基本と言えます。

このたんぱく質を合成するときに亜鉛が重要な働きをします。
タンパク質を摂り、亜鉛と銅の摂取バランスを8.5対1の割合にしておくことが大切です。

また、酸性食品の取り過ぎは皮膚の働きが低下したり、ビタミンAが不足すると皮脂の分泌が減ったり、汗腺の働きが衰えて角質層が厚くなったり、ビタミンB6が不足すると皮脂分泌が多くなって脂漏性脱毛の原因となることがあるように、酸性食品とアルカリ性食品、ビタミンやミネラルなど、食事全体の栄養バランス良く食べることや、刺激物、塩分、糖分、アルコールなどを控え、血液循環を阻害するタバコの吸い過ぎなどには注意しなければなりません。

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