要注意

女性の脱毛

女性の薄毛の原因・誘因は
緑の黒髪が日本人の女性の専売特許のはずであったのに、最近は私のサロンでも女性の髪のトラブルが多く、毛髪相談のお客様が非常に増えています。髪の傷みや白髪、クセ毛、細毛、ヘアスタイルなどの相談も多いですが、まずは抜け毛が多くなった悩みで思い当たることをチェックしてみましょう。

脱毛症や脱毛の悩みは生命に関与するものではありませんが、現象面のみならず心理面・精神面に与える影響は大きく、ときには人生を変えてしまうようなこともあります。また、全身性の疾患の一症状として現れることもありますので注意が必要です。

相談にみえる女性に多い脱毛症としては次のような原因・誘因による脱毛が多いです。ただしこれらの原因・誘因があったら必ず脱毛症になるという訳ではありませんが、原因があれば結果がある訳ですので、まずはそれぞれの脱毛症を疑ってみて、早めに原因・誘因をとり除くようにしましょう。

○ ポニーテールや引っ詰め髪をしていたら、額の角が薄くなってきた →牽引性脱毛症

○ ダイエットに成功し痩せたら髪が薄くなってきた。→  断食、飢餓療法による脱毛症

○ 出産後数ヶ月したら生え際が薄くなってきた。 →      産後(分娩後)脱毛症

○ ピルの服用を止めたら髪が薄くなってきた。    →     ピル服用後脱毛症

○ 眉の外側3分の1が抜けて薄くなってきた。  →   甲状腺機能低下症による脱毛

○ シャンプー剤を変えたら抜け毛が多くなってきた。→     一時的刺激による脱毛

○ 染毛やパーマ後に抜け毛が増えてきた。    →     接触性皮膚炎による脱毛

○ 極端な偏食を続けていたら次第に薄くなってきた。→      栄養不良による脱毛

○ 両方の家系に薄い人が多い。 →    遺伝的要素による脱毛、女性の男性型脱毛

○ ストレスが多く突然500円玉くらいのハゲができた。 →       円形脱毛症

○ 日本髪などできつく引っ張られたところが薄くなった。  →      牽引性脱毛

○ 抗ガン剤、免疫抑制剤、ホルモン剤などを使った後で髪が抜けた。→   薬剤性脱毛

○ 頭部のケガ、火傷などの後に髪が生えてこなくなった。  →     瘢痕性脱毛

○ 乾いた髪にナイロンブラシを使っていたら抜け毛が多くなった。→ 静電気による脱毛

○ 無意識のうちに髪の毛をプチプチ引き抜いている。 →  抜毛狂(トリコチロマニア)

○ 1日40本以上タバコを吸うようになったら薄くなってきた。 → 血行不良による脱毛

ほかにも病的な脱毛もいろいろありますが、原因や誘因がわからない場合は専門医の診断を受けることが必要です。

女性型脱毛症の直接原因は不明な事が多い

男性型脱毛は遺伝的要素が大きいと言われ、男性ホルモンのテストステロンが5α―リダクターゼという還元酵素により変換されてできたDHT(デヒドロテストステロン)という体内物質により、毛乳頭が萎縮し、毛母細胞の成長が抑制され、ヘアサイクルの成長期が短縮し、太くて硬い毛が細くてあまり成長しない短い毛に生え替わりながら、ウブ毛へと逆転換してハゲになっていくもので、男性型脱毛症(AGA)と呼ばれています。

女性の場合も遺伝的要素があったり更年期を迎えると、ホルモンバランスの変化から、いわゆる「女性の男性型脱毛症」(最近は女性型脱毛症FAGAと呼ばれています)と呼ばれることがありますが、脱毛の進行速度が男性よりもゆっくりであることや、アンドロゲンの関与が少ない(血清テストステロン値の上昇はほとんど起こりません)脱毛を男性型というのに異論を唱える人(だから女性型脱毛症と呼んでいる)もいます。
 
女性の脱毛は上記のようにいろいろな原因・誘因は考えられるものの、女性型脱毛症(FAGA)ははっきりとした直接原因は未だに不明であり、男性に用いられるプロペシアなどの薬剤も適用外であるように、原因に根ざした治療法はまだ確立されていないのが現状です。

髪のトラブルの原因や誘因は様々で、食事の偏りもそのひとつですが、薄毛・脱毛が進行している人達の頭皮をチェックしてみると、半数以上の人に皮脂の分泌が多くなっている状態が診られ、軽度の湿疹から重度の脂漏性皮膚炎が起きていたり、頭皮が硬(頭皮が薄く)く血行状態が悪くなっているのが観察されます。

上記したように遺伝、ストレス、健康状態、ホルモンの異常、アレルギー、間違ったヘアケア、ダイエット、産後脱毛、円形脱毛、食生活の乱れなど、原因・誘因はさま ざまですが、頭髪のトラブルに悩む女性は確実に増加しています。

男性の場合との決定的な違いは、遺伝の項目にあるように劣性遺伝であることや、男性ホルモンの力が弱いために、男性のようなツルッとしたハゲにはなりません。(円形脱毛症、全頭脱毛症、汎発性脱毛症などの場合を除く)

男性の場合は休止期に入って成長が止まった毛を新しく再生されてきた毛が押し出すようにして生えてきます。その生えてきた新生毛は、遺伝、男性ホルモン、血行不良、食事内容、精神面、健康面、間違った手入れなどのマイナス要素により、今まで生えていた毛より細くなることでハゲてきます。

女性の場合も同様ですが、中には休止期に入ると次の毛がなかなかできてこないで一年も二年も生えてこないことがあります。これらの意味から男性は軟毛化・細毛化現象、女性の場合は薄毛化現象、毛数減少現象ということができます。


もう少し上記の原因・誘因を解説すると
特に女性特有または女性に多い原因・誘因としては、産後脱毛、ダイエット、間違ったヘアケアやヘアスタイルなどがあげられます。

産後脱毛は、妊娠すると女性ホルモンが増えてくるため、本来ヘアサイクルが成長期を終えて休止期になるはずなのに、休止期にならず成長期が伸ばされて脱毛は減ってきます。

出産後二〜四カ月すると伸ばされていた成長期が一斉に休止期に入り、通常の倍の30パーセントにもなり、さらに産後の育児の忙しさや、妊娠中よりもカロリーを落とすため一度に脱毛が増えてきます。

ダイエットは、無理な減食による栄養不足、特に蛋白質の不足から、必須アミノ酸の量や丈夫な髪をつくるためのたんぱく質や亜鉛、銅、鉄などのミネラルが不足してしまい、抜け毛や細い毛になり、身体の方も痩せてきます。

ヘアケアやヘアスタイルでは、整髪剤やシャンプー剤、リンス剤、パーマ剤、染毛剤などが頭皮に残って皮膚を刺激することや、ブラッシングなどの静電気の発生で毛乳頭と毛母細胞の間で気泡が発生し抜けやすくなったり、ポニーテイルや日本髪などの髪を引っ張るスタイルにより、毛乳頭組織周辺に軽い炎症が起こり、その積み重ねが組織の老化を早めることなどがあげられます。

他にも甲状腺や下垂体などの機能に異常をきたすと下の表のような症状を伴ってびまん性の脱毛が起こってきます。 このような場合は必ず専門医を受診しましょう。


生え際が伸びなくなって薄くなり、頭頂部が薄く頭皮が透けて見えるようになってきます。

下垂体機能低下

頭髪が薄くなり、腋毛、陰毛が消失します。

甲状腺機能低下

頭髪のびまん性脱毛がしばしば認められ、後に体毛も脱毛します。眉毛が薄くなるのが特徴で、腋毛は約半数が薄くなります。

甲状腺機能こう進

約半数にびまん性脱毛が生じ、可逆性で円形脱毛や尋常性白斑を合併することがあります。

副甲状腺機能低下

頭毛は乾燥し、全体として薄くなり、毛はたやすく引き抜くことができ、不規則な脱毛斑を呈します。

もし、これらの異常が感じられるようであれば早急に医師の検査を受け、指示に従うようにしなければなりません。 以下も含め女性にだけ起こる脱毛症というものではありません。

透析を受けているとびまん性の脱毛が起こり、腋毛、陰毛などの減少が認められます。
膠原病に伴う脱毛症ではびまん性の脱毛や限局性脱毛、瘢痕性脱毛、非瘢痕性脱毛が起きることがあります。

特に全身性エリテマトーデス(SLE)の憎悪に伴ってびまん性非瘢痕性の脱毛が起こることがあります。光沢がなく乾燥した細くて短い前頭部や側頭部の毛が抜け落ちます。毛根をチェックすると棍棒状でメラニン色素も減少しています。

慢性エリテマトーデス(DLE)の場合限局性の脱毛が起こることがあり、紅斑とともに脱毛し、早期に治療してもらわないと瘢痕性だつもうになってしまいます。

他にも強皮症、皮膚筋炎やシェーグレン症候群(円形脱毛症のような限局性の脱毛脱毛や、前頭部のびまん性脱毛、腋毛や陰毛の減少が起こります。過去に2人相談にみえたことがありました。)

梅毒ハンセン病ケルスス禿瘡頭部乳頭状皮膚炎(毛包炎を繰り返しケロイド状の結節になります。過去に一人いました)

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