第38回 抜け毛が多く、額が広くなってきたのですが?

質問
最近、抜け毛が非常に多くなってきました。そのためか、額も広くなってきているようです。額の生え際のM型の進行を少しでも遅くするために、育毛剤を使おうと思っているのですが、他に何か気をつけなければならなうことを教えてください。   (岩手県 I・K介 18歳)

回答
  育毛はパーソナル・ケアが大切で、いろいろな誘因となることをチェックしてみなければなりません。 額が上がってきたといっても、生まれつき額が広い人、成長の一環として顔が子供の頃の丸顔から細長くなったことにより広く見える人、特に前頭骨が発達して血行不良などがあって額が広い人、皮脂の分泌過剰により額が広い人、体毛が濃くて男性ホルモンが関係していて額が広い人、遺伝的要素が強くて額が広い人、シャンプーなど手入れのやり方が間違っていて額が広い人など、いろいろなことが原因して症状をつくっています。
  まずは現在以上に薄くならないようにし、額の後退を予防する ためには「髪の毛は皮膚が変化したものである」ということから、頭皮の状態を正常にすることが大切ということになります。
 皮膚が弱る一番多い原因は全身の病気で、腎臓、心臓、肝臓などの病気や糖尿病などを患ったり、胃腸が弱っていたり、さらに健康を害して体力が弱っていたり、偏食や生活が不規則であったり、ストレスが多かったり、シャンプーやお手入れなどのやり過ぎにより物理的、化学的な刺激を強く受けて炎症や湿疹などのトラブルが起こっていたり、逆に汚れてもそのままにしていて適切なお手入れを行っていなかったり、紫外線に当たり過ぎていたり…というように、皮膚に良くない状態が長く続き、さらに男性ホルモンの影響を受けると、次第に薄毛が進行するようになってきます。
 私たちは生まれてから老化への片道切符を手にしているわけで、健康状態などに気をつけている場合といない場合では、この 老化のスピードには個人差が生じます。 体の老化のスピードが増すような不摂生や偏食、ストレスなどがあると伸びが悪くなったり、効果が上がりにくくなってきます。 髪の老化も含めて、老化を促進させる因子を一つひとつ取り除くことで、少しでもブレーキをかけていくことが大切なのです。そのためには、現在の自分の体内の状態がどのようになっているか「人間ドック」や「毛髪ミネラル分析」などで健康チェックをしてみるのもよいでしょう。
 誰しもがハゲにはなりたくないと思っていることと思いますが、そのためには、常に髪の毛が良好に育つような環境にしておかなければならないのです。つまり 「予防に勝る治療なし」 と言われるように、 育毛剤の効果だけに頼るのではなく、健康面の管理とともに、ヘアケア、スキャルプケアを正しく行うことが大切 です。
(全理連中央講師 板羽忠徳)

参考資料
●M型の回復が自覚しにくいのは
 男性型脱毛症には大きく分けて2つのタイプがあり、その形から頭頂部からの0型、顕からのM型(正しくはそれぞれC型、H型ですが)と名前がつけられています。
 これらは男性ホルモンと還元酵素の5α−リダクターゼか関係しているのてすが、この還元酵素については次の2種類があります。
T型 →二キビが多い。皮脂が多く脂性。髪の毛がべ夕つく。どちらかというと若い人に多い。
U型 →何年もかかって徐々に脱毛していくタイプ。年半音に多い>M型が多い。遺伝的要素が強い。
 男性型脱毛症の回復の場合は、産毛が生え、抜け、また生えて以前より伸び、また抜け…これを繰り返して次第に伸びや太さを増していくのですが、 薄毛の人の成長速度は遅く1日に0.14mm以下で、成長期も短いため、なかなか伸びていくのが感じられないヘアサイクルを繰り返しています。
 M型に効くとして発売された製品も4年たった現在では人気がなくなって新製品が発売されていますし、海外のミノキシジル12.5%や15%の製品もM型に効くということでしたが、0型よりも効果が上がりにくいことから、錠剤や粉末製剤の添加にまで発展しています。
 最近はミノキシジルに特殊ハーブを添加したものやフィナステライドが効果を上げているようですが、M型の場合、そり込みが浅くなるように、頭頂部側から回復が始まっていき、脱毛が最初lこ起こった部分は最終になるため、いつも薄い部分が見えていることから回復は自覚しにくいのです。

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