第39回 脱毛進行は縮毛矯正によるものでしょうか?
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質問 中2の頃からずっと縮毛矯正をしているのですが、1年ほど前から髪の毛が全体的に少なくなってきました。食生活や手入れ法等を見直したり、ストレスをためないようにしていますが、むしろ脱毛は進行しているようです。 (大阪府 K・N人 20歳)
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回答 縮毛矯正を行うと技術や薬剤によっては
キューティクルが傷ついたり剥がれたり、毛質に変化
が起こったりします。また、
頭皮に付着すると、シミたり痛みを感じ、炎症や断毛などのトラブルがが起こることがあります。
縮毛矯正によって脱毛は起こるかというと、技術中にも感ずるような相当強いダメージが頭皮に加わらない限り、脱毛が起こるということはほとんどありませんが、縮毛矯正をやっていると次のようなことにより、髪の量が減ったような気がするようになったり、減ったように見えてくることがあります。 ◎今まで縮毛の状態の時は、髪がカールしたりウェーブがついていますので、毛量が多く感じられていたのですが、矯正してストレートになると、ウェーブによる髪の重なりが無くなるため、急激に毛量が減ったように感じます。(毛量を多く見せるために、強めのパーマをかけることの反対の現象) ◎
頭皮に縮毛矯正剤がついた場合、炎症が起こり、その後フケととも一時的に脱毛量が増すことがあります。
◎縮毛矯正の方法は、髪に薬剤をつけて櫛の峰でそのまましごいて伸ばすタイプや、パネルに貼り付けて伸ばすタイプ、アイロンで矯正するタイプなどがありますが、その種類や技術によって掛かり具合や髪や頭皮に与えるダメージの度合いが違います。良くかかっ状態ほど少なく感じます。 ◎髪のダメージ度によって、櫛どおりや手触りが変わり、キューティクルが荒れてザラザラした感じになっていたのが、トリートメント剤によりストレートになってサラサラになると、毛量が少なくなったように感じることがあります。 ◎縮毛矯正剤の影響でメラニン色素が破壊されると髪の色が明るくなり、軽い感じになるため、黒髪の状態の時よりも毛量が少なくなったように感じることがあります。 いろいろ気をつけているにもかかわらず脱毛が進行し、髪の量が少なくなってきたように感じているということは、縮毛矯正によるというよりも男性型脱毛が始まっていることが考えられます。他にも甲状腺ホルモンなどによることも考えられます。抜け毛の状態や頭皮の状態、体毛の状態、遺伝面、食事面、健康面、ストレスなどの状態、お手入れの状態など、総合的にチェックしてみる必要があります。 (全理連中央講師 板羽忠徳)
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参考資料 ●「縮毛矯正剤について」 「Mr.ハビット」「リシオ」「リペア」「リメイク」「クリスタライジング」などいろいろな名前の縮毛矯正剤があり、メーカーは髪を傷めない、サラサラに伸びる、しっとりストレート、簡単に伸びるなどいろいろ特徴をあげてブランドつくりをしていますが、薬事法上では1985年に製品化が認められて以来、現在では4タイプがあり、コールド2浴式、加温2浴式に別れ、1剤はどちらもチオグリコール酸およびその塩類となっています。施術方法が違うだけで、毛髪との反応理論はパーマネントウェーブ用剤と同じです。 初期の頃はコームの峰でしごいて伸ばしていましたが、髪の根元に薬剤が作用して断毛が起こることから、現在ではほとんど行われなくなりました。 板状のパネルに毛髪を貼り付けて伸ばす技法も薬剤がたまりやすく、必要以上にテンションがかかったり、パネルの角で断毛することから、毛髪を貼り付けたパネルをそのままにしておく技法は禁止になっています。 低温アイロンなどで加温して伸ばすタイプのものも有りますが、高温アイロンの使用が認められたことから、1剤処理後に水で十分に洗い流し、水分をふきとってから、180℃以下の高温整髪用アイロンを使用して伸ばす薬剤が現在では主流になっています。 毛髪や頭皮にダメージを与えやすい技術ですから、
髪の状態を正しく診断・カウンセリングし、状態に応じた薬剤を使い分け、薬剤の作用を正しく理解し、軟化状態を見極めることができるよう、十分にトレーニングをし、技術経験を積むことが大切
です。
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