実践クリニック

第4回 つむじについて教えて?

実践クリニックは本来プロの方が勉強されるべき内容を載せています。

なぜ頭にはつむじがあるの?

つむじについてお尋ねします。なぜ頭にはつむじがあるのでしょうか?それとつむじの流れが毛流をつくっていると思うのですが、右巻き、左巻きの優位性のようなものはあるのでしょうか?また、右巻きと左巻きではどちらが多いのでしょうか?
お答えがあればご教授頂きたいと思います。
大阪府 N・M雄

ミステリーサークル

つむじ誰の頭にもあるつむじ。何のためにあるのか?右巻き?左巻き?分からない事だらけのミステリーサークルです。

毛はナゼ斜めには生えている。

毛が斜めに生え、その方向が一致し、毛流をつくるしくみは、ヒトでは部位により始まる時期は異なりますが、受精後60日前後から皮膚に形態変化がみられるようになり、表皮の一部で表皮細胞が活発に増殖し、プラコードとよばれる肥厚が形成され、真皮細胞が真皮集塊という細胞の集合体を形成し、毛芽ができてきます。

この毛芽の先端の真皮集塊の位置は一方に偏っているため、毛芽は斜めに伸長するようになり、しだいに皮膚の深部に向かって伸びていきます。

斜めの方向を決めているのは先にあげた真皮集塊ではなく、組織や器官が形成される前に、すでにその位置や分化の方向が決まっています。

このことを「プレパターン」されていると言い、この表皮のプレパターンができることにより遺伝子レベルで毛芽の方向が決まり、それに応じて真皮集塊が接する位置が決められ、一定の方向に毛芽が伸長して斜めに毛が生えて毛流ができて来るのです。

それでは毛はナゼ斜めに生えている必要があるかですが、ヒトではこの働きは薄らいでいますが、有害な紫外線を避け、肌に届きにくくする。

雨に当たった時に皮膚表面に溜まらないように誘導して流す。

モノにぶつかった時に滑りやすくする。汚れやホコリが付着しにくくなる。体温の放散を防ぎ寒さから護る。自然に髪が分かれ、頭皮を保護しやすくなる。など、いろいろな保護作用のためと考えられています。

つむじの存在ですが、赤ちゃんが破水して生まれて来る場合、産道を通るとき、回転して生まれ出て来るので、つむじが頭を回転するのに役立っているのではないかとも考えられています

いずれにしても球体に流れをつくる場合、どこかが起点にならなければならず、そこが「つむじ」(旋毛)になったと考えられます。

右巻き、左巻きについては、毛髪に関する遺伝形質の違いによります。

毛髪に関して優性のものは、形状は波状毛、縮毛。色は黒、茶。つむじは右巻き。若白髪は白髪になる。若ハゲはハゲになる。で、劣性のものは、形状は直毛。色はうすい色。つむじは左巻き。若白髪は黒髪。若ハゲは髪がある。となっているように個体差変化によるもので、きき手は右手が優性で、左手は劣性のように、右手の方が優位であるという理由は後からの人間生活の都合や発生量によって決まったものですが、つむじの右巻き優性は特別に右巻きの方が人間生活に都合が良く優位であるというような理由はみあたらず、発生量によるもので、私が以前に毎日新聞の依頼で調べたデータでは、日本人の場合右巻き50%、左巻き40%。西洋人は右巻き80%、左巻き15%となっており、残りの%は2つ以上ある特殊型という割合になっていました。

(全理連中央名誉講師・板羽忠徳)

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